スイスから帰国して、初めて理学療法を受けてきました。 膝はまだ完全ではありませんが、少しずつ良くなっていることを実感しています。
今回のスイス旅行は、昨年から決まっていたものです。 肉離れや膝の故障とはまったく関係なく計画された旅行でしたが、このタイミングで行くことができたことには、大きな意味があったように感じています。
もし旅行に行かなかったら、毎日リハビリを続けながら、「行けなくなった山」のことばかり考えていたかもしれません。
「早く走りたい。」 「いつになったら山に登れるんだろう。」 そんな思いに、ずっと心が縛られていたような気がします。
でも、普段の生活から離れた10日間を過ごしたことで、不思議なくらい気持ちがリセットされました。
もちろん、早く足を治したい気持ちはあります。 でも、「何としてでも山に登りたい」「早く元に戻らなければ」という焦りは、いつの間にか薄れていました。
以前は、登山仲間のグループLINEで山行の報告や登山教室の予定を見るたびに、少し切ない気持ちになっていました。
でも今は、そんな気持ちがほとんどありません。 むしろ、登山を始める前、運動を始めた頃の自分に戻ったような気がしています。
もともと私が運動を始めたのは、ダイエットがきっかけでした。 ウォーキングを始め、少し走れるようになってジョギングへ。
1年ほど走るうちに、「今度は高尾山に登ってみようかな」と思ったことが、登山の始まりでした。
登山教室に入ると、思いがけず山小屋泊や縦走にも挑戦するようになり、山の魅力にどんどん引き込まれていきました。
仲間もでき、「もっと高い山へ」「もっと難しい山へ」と思い始めた頃、肉離れを起こし、その後、膝まで痛めてしまいました。 突然、登山のある生活が途切れてしまったのです。
最初は、「治ったらまた元の生活に戻ればいい」と思っていました。 でも治療を続けるうちに、半年以上ブランクがあれば、以前とまったく同じようには戻れないこともあるのだと分かってきました。
仲間に置いていかれてしまうのではないか。 そんな不安や焦りもありました。
でも今は違います。 「また一から始めればいい。」 そんなふうに思えるようになりました。
無理をして高い山や難しい山を目指さなくてもいい。 また高尾山から始めればいい。 そう思えるようになったのです。
その気持ちの変化をくれたのが、今回のスイス旅行でした。 アイガー、ユングフラウ、モンブラン、マッターホルン、そしてベルニナアルプス。世界を代表する名峰を、この目でしっかりと眺めることができました。

↑ロープウェイの窓いっぱいに広がるアイガー北壁。その大きさ、迫力に圧倒されました。
中でも印象に残っているのは、マッターホルンです。 ゴルナーグラート・クルムに連泊し、部屋の窓から朝も昼も夕方もマッターホルンを眺めるという、なんとも贅沢な時間を過ごしました。

↑ゴルナーグラート・クルムの部屋からのマッターホルン。至福のとき。
その時間の中で、「山は登るだけが楽しみではない」ということを改めて感じました。
もちろん、自分の足で登れたら最高です。 でも、景色を眺めたり、その場所で過ごしたりするだけでも、山は十分に感動を与えてくれます。
スイスでは、家族連れやカップル、犬を連れた地元の人たちが、気軽に山を歩いていました。 山は特別なものではなく、暮らしの中に自然に溶け込んでいるように見えました。 その姿を見て、「山はもっと自由に楽しんでいいものなんだ」と感じました。
これからは焦らず、自分のペースで膝を治していこうと思います。
まずはウォーキング。 そしてジョギング。
以前の生活を少しずつ取り戻した先に、また山へ行けたら、それで十分です。
高尾山でもいい。 ゆっくり歩ければ、それだけで幸せだと思います。 悩みの真ん中にいたこの時期に、スイスへ行くことができたこと。
あの10日間は、景色だけではなく、私の心まで癒やしてくれました。 今は、そう感じています。
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